人生は上々だ。まあまあね。

不安定を愉しむ40代女子★年とるって悪くないよね。

★読書感想★「アメリカン・スナイパー」クリス・カイル

megです。なかなか読みきれないエッセイがあり、エッセイはそもそも暇つぶしの読み物であると教えてくれるような本であり、さらに興味がない分野でのエッセイなので途中で投げ出し、二ヶ月前から読もうと思って買っておいた分厚いノンフィクションを読み始めた。戦争物なので夜中、読むのは避け、仕事の合間に読んでいたのだが、常に読みかけであることが頭の隅に鎮座するほど残る実話だと思っていたら、何と映画化されていたのだ。そして、500頁を読み終わり、今も少しボーッとしている。アウトプットしなければ、もやもやしたままなので、書くが、ノンフィクションでは「古代への情熱 シュリーマン」は今だに、主人公の熱い情熱に触れた高揚とした気分に包まれたときのことを思い出せるが、それとは別の感情だが、あらゆる感情に衝撃と刺激を与えており、まさに今もこのノンフィクションの続きが現実となっている。
映画は見ていないが、訳が非常にうまいのもところどころ読み手は感謝せずにはいられない。
深く心に刻まれるという意味で間違いなく良書であると思う。

二人称で進められていき、時折、主人公クリスの妻タヤの思いも日記風に挿入されている。
海兵隊員として戦地に行った経験を知ると、しょっちゅう「何人殺したか」と聞かれると、そして、クリスは「答えたところでそれで人の値打ちが下がったり上がったりするのか? 」と、答える。人間の考えなどくそくらえだと。その上で自分が思う思いを全うするべく任務を遂行している。人の好奇心を満たすだけの質問に、複雑な思いをしながらより正確に応えても空しさが残るだけだ。また、しょっちゅう聞かれる質問はもう一つある。「そんなに多くの人をイラクで殺して気が咎めないものか?」と。主人公は答える。「少しも咎めない」。
多くの人にとって素朴な質問が刃となっていること、一方で暴力や戦争が解決を導く発端となることもある、また一方でさらなる憎悪も発生しやすいことをもっと知るべきなのかもしれない。
一人の男の物語でもあり、愛と憎しみの物語でもある。

これは本で読むほうが断然深い。